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治具ベースの役割と重要性

治具ベースとは?役割と重要性をわかりやすく解説

治具ベースの基本定義とは?

「治具ベース」は、主に機械加工を行う際にワークを固定する役割を持つ基準治具として使用されるものです。この治具ベースのカテゴリには、「ベース」と「補助ベース」の2種類があります。

どのような治具ベースをセットするかによってワークの加工品質や加工段取り時間などが大きく変わってくることから、高い精度のものを正しくセットすることが大切です。

治具本体と治具ベースの違い

治具本体は、機械の加工・検査・測定・組み立てなどを効率よく行うために用いられる、補助装置を指します。これはもともと機械加工を行う際に、ワークが動かないように固定・保持するための装置として発達してきたものです。ワークの位置決めや固定する他にも、加工具や検査具を正しい位置に案内するという役割もあります。

また、治具ベースは上記で説明している通り、治具を構成するための土台や基礎部品として使用される、標準化された部品やプレート類のことを指します。治具を組み立てたり複数の治具部品を取り付けたりする際の基盤となる部分です。

治具ベースが果たす役割とは?

繰り返しになりますが、治具ベースは治具そのものを組み立てる、複数の治具部品を取り付けるなどする際の基盤となる部分であり、治具の設計や組みかえ、汎用性を高めるなどの役割を持っています。また、アルミなど軽量素材を使用した治具ベースは、作業性の向上や現場の省力化にも寄与しています。

治具ベースの主な種類と特徴

プレート型・ブロック型・一体型の違い

治具ベースにはさまざまな種類があり、形状で分けると「プレート型」「ブロック型」「一体型」の3種類に分けられます。

プレート型は平板状の形状をした治具ベースです。機械テーブルに対し並行な基準面を持ち、機械テーブルの保護やワークの嵩上げなどに用いられます。ブロック型治具ベースは、立体的な形状を持つ治具ベースであり、機械テーブルに対して垂直な基準面を提供します。一体型の治具ベースは、複数の機能や部品が一体化された治具ベースを指します。

さまざまな治具ベースがありますが、適切な治具ベースの選定により加工精度や生産効率が変わってくる点には注意が必要です。

材質ごとの特徴(アルミ・鋼材など)

また、治具ベースには材質ごとに異なる特徴があります。例えば、鋼材系、アルミニウム系、ステンレスなどがあります。

鋼材系は高い剛性と強度の提供が可能で、アルミニウム系は軽量化に加えて作業性の向上が期待できます。また、ステンレス製の治具ベースは耐食性と耐久性を重視する用途に向いています。

このように適切な材質を選定することによって、加工精度や生産性向上が期待できるため、使用環境や加工方法、コストなどを総合的に考慮した上で選定することが大切です。

加工方法別に見る治具ベースの特徴

治具ベースは、機械加工を行う際にワークを固定するための基準治具として重要な役割を果たしているものですが、加工方法・使用する環境に応じて適切なものを選択することが必要です。

そのため、それぞれの加工方法の特徴を理解した上で、求められる精度や安定性、作業効率について総合的に考慮した治具ベースの選定を行うことが重要になってきます。

治具ベースを導入するメリットと注意点

精度・再現性向上への貢献

治具ベースの導入により、ワークや治具を設置するための安定した基準面の提供が可能となります。また、振動の抑制や位置決めの再現性向上、段取り時間の短縮といったようにさまざまな要素により、精度や再現性の向上につながることが期待できます。

特に精密機械の加工などにおいては細かい精度管理が求められることから、適切な治具ベースの選定・設計が加工品質の向上に繋がっていきます。

設計自由度の拡大と生産性への影響

適切な治具ベースを選択することによって、ワークの拘束や解放のバランスを自在に設計でき、さらに高精度・高効率な加工や組み立てが実現できます。この点から、形状や固定方法、拡張性など設計の自由度の拡大につながっていきます。また、治具ベースの導入によって段取りにかかる時間が短縮され、生産性の向上が期待できます。

外注加工での注意点とコスト管理

治具ベースを外注加工で導入する場合には、まず仕様や要求精度について明らかにすることが重要です。使用目的やワークの寸法、材質、使用環境などを具体的に伝えます。これは、曖昧な依頼はトラブルやのちの手直しの原因となる可能性があるためです。また、外注先の適切な選定や設計の標準化などにより、品質やコストなどを最適化することが重要となります。

治具ベースの活用事例と設計のポイント

実際の導入事例から見る効果

治具ベースは治具の製造を左右するために、固く剛性のある鉄系材料を用いることが多いといえます。しかし鉄系材料は1mを超えてしまうと人力での運搬が難しく、クレーンでの対応が必要となるために作業性の面で問題が出てきます。そのため、コストはかかるものジェラルミンを用いたベースを提案。軽量化が実現したことで作業性が向上しました。このように、用途と環境に応じた治具ベースの導入を行うことが大切です。

設計時に意識すべき寸法精度と取付方式

治具ベースの寸法精度と取付方式は、製品の品質や生産効率に大きく影響します。寸法精度は、加工や組み立ての精度につながってくることから重要なポイント。また取付方式は、治具の安定性などに影響してくることから、設計時には注意する必要があります。

治具ベースの標準化とカスタム化の使い分け

治具ベースを使用する際に、まずは標準品やセミカスタマイズ品により対応が可能かを検討し、コストや納期、品質のバランスについて検討することが大切です。標準品で効率化や品質の安定性を図りつつも、どうしても標準品では対応ができない場合には、カスタム化を選択することになります。標準化とカスタム化をバランスよく使い分けていくことがコスト面において重要です。

まとめ

こちらの記事では、治具ベースについて解説してきました。治具そのものの組み立てや、複数の治具部品の取り付けを行ったりする際の基盤となる部分であり、ワークの加工精度や作業効率の向上に大きく影響する重要な部品です。

そのため、さまざまな種類の中から適切な治具ベースの選定と設計を行うことが非常に重要といえます。

【加工部品別】ボーリング加工会社3選

製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・治具部品」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。

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(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点