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ボーリング加工の「びびり」とは?

「ボーリング加工でびびりが発生して寸法精度が安定しない」「加工面に筋が出る」「工具を交換してもびびりが改善しない」といったお悩みはありませんか。

ボーリング加工におけるびびりは、加工品質を大きく左右する代表的なトラブルのひとつです。びびりが発生すると、穴径のばらつきや面粗度の悪化、工具寿命の低下、場合によってはワーク不良や納期遅延につながることもあります。

この記事では、ボーリング加工で発生するびびりの基礎知識から、主な原因、対策方法、依頼先を選定する際のポイントについて解説します。

ボーリング加工における
びびりとは

びびりとは、切削加工中に工具やワーク、工作機械が細かく振動し、その振動が加工面や寸法精度に悪影響を及ぼす現象です。ボーリング加工では、穴の内径を仕上げるために工具を穴の内部へ差し込んで加工するため、工具の突出し量が長くなりやすく、他の加工に比べてびびりが発生しやすい傾向があります。

びびりが発生すると、加工面に周期的な模様や筋が現れたり、仕上げ面が粗くなったりします。また、工具先端が安定せずに切削することで、穴径が狙い寸法から外れる、真円度が悪化する、同軸度が確保できないといった問題が起こります。

特に高精度なボーリング加工では、わずかなびびりでも製品品質に影響するため、原因を正しく把握し、加工条件や設備、工具を総合的に見直すことが重要です。

ボーリング加工で
びびりが発生しやすい理由

ボーリング加工では、ドリル加工やフライス加工と比較して、工具が細長くなりやすいという特徴があります。穴の奥まで工具を届かせる必要があるため、ボーリングバーの突出し量が長くなり、工具剛性が低下します。

工具剛性が不足すると、切削抵抗を受けた際に工具がたわみやすくなります。このたわみが加工中の振動につながり、びびりとして加工面に現れます。さらに、深穴加工や大型ワークの内径加工では、工具の支持が難しくなるため、びびりが発生するリスクが高まります。

また、ボーリング加工では穴の内部を加工するため、切削状態を目視で確認しにくい点もあります。切粉の排出不良や工具摩耗が発生していても気づきにくく、びびりが悪化してから問題に気づくケースもあります。

ボーリング加工における
びびりの主な原因

工具の突出し量が長い

ボーリング加工で最も多いびびりの原因が、ボーリングバーの突出し量です。工具の突出し量が長くなるほど剛性が低下し、切削抵抗によるたわみや振動が発生しやすくなります。

特に深い穴や奥まった位置を加工する場合には、工具を長く突き出す必要があるため、びびりのリスクが高まります。工具径に対して突出し量が大きすぎる場合は、加工条件を調整しても改善が難しいことがあります。

工具剛性・ホルダ剛性が不足している

工具そのものの剛性や、工具を保持するホルダの剛性が不足している場合もびびりが発生しやすくなります。ボーリングバーの材質や形状、ホルダの締結状態、工具の取り付け精度などが加工中の安定性に影響します。

剛性の低い工具を使用していると、切削負荷が変動した際に工具先端が振れやすく、加工面の荒れや寸法ばらつきにつながります。

切削条件が適切でない

回転数、送り速度、切込み量などの切削条件が適切でない場合、びびりが発生することがあります。例えば、回転数が高すぎると振動が増幅されやすく、送り速度や切込み量が合っていない場合にも切削抵抗が不安定になります。

また、仕上げ加工で切込み量を極端に小さくしすぎると、工具が材料をしっかり切削できず、こすり加工のような状態になってびびりや面粗度悪化を招くことがあります。

ワークの固定が不十分

ワークの固定が不十分な場合、加工中にワーク自体が微小に動き、びびりが発生します。特に鋳物部品や大型部品、複雑形状の部品では、安定したクランプが難しく、治具設計や固定方法の工夫が必要になります。

ワークの固定が甘いまま加工を行うと、穴径や位置精度が安定しないだけでなく、工具破損やワーク不良につながる可能性もあります。

切粉の排出不良

ボーリング加工では、穴の内部で切粉が発生するため、切粉の排出性が非常に重要です。切粉が加工部に残ったままになると、工具とワークの間に噛み込み、切削抵抗が変動します。その結果、びびりや面粗度不良が発生しやすくなります。

深穴加工や止まり穴の加工では、切粉が排出されにくいため、切削油の供給方法や工具形状の見直しが必要です。

工作機械の剛性や状態に問題がある

工作機械の主軸剛性や送り機構、テーブル剛性などもびびりに影響します。長年使用している設備では、主軸や摺動部の摩耗、ガタ、芯ずれなどが発生している場合があり、加工時の振動原因となります。

高精度なボーリング加工を安定して行うには、加工機の性能だけでなく、定期的なメンテナンスや精度確認も欠かせません。

びびりが加工品質に
与える影響

びびりは単に加工音が大きくなるだけの問題ではありません。加工面や寸法、工具寿命に直接影響し、製品品質と加工コストの両面に悪影響を及ぼします。

面粗度の悪化

びびりが発生すると、加工面に細かな波状の模様や筋が残り、面粗度が悪化します。特にベアリングやシャフトが組み込まれる穴では、面粗度が悪いと摩耗や異音、焼き付きの原因になることがあります。

寸法精度・真円度の低下

工具が振動しながら切削すると、穴径が安定せず、狙い寸法から外れる可能性があります。また、真円度や円筒度、同軸度などの幾何公差にも影響します。高精度部品では、わずかな寸法ずれでも不良品となるため注意が必要です。

工具寿命の低下

びびりが発生している状態では、工具の刃先に断続的な負荷がかかります。その結果、刃先の摩耗やチッピングが進みやすくなり、工具寿命が短くなります。工具交換頻度が増えると、工具費だけでなく段取り時間も増加します。

加工コストの増加

びびりによって再加工や不良廃棄が発生すると、材料費・加工時間・検査工数が増加します。さらに、工具破損や設備トラブルが発生した場合には、納期遅延につながることもあります。

ボーリング加工の
びびり対策

びびりを抑えるには、原因に応じて工具・加工条件・固定方法・設備状態を総合的に見直す必要があります。

工具突出し量を短くする

まず検討したいのが、ボーリングバーの突出し量をできるだけ短くすることです。工具の突出し量が短くなれば剛性が高まり、振動が発生しにくくなります。

加工深さとの兼ね合いもありますが、必要以上に長い工具を使用しない、工具径を可能な範囲で太くする、ホルダとの締結長を確保するなどの工夫が有効です。

剛性の高い工具を選定する

突出し量を短くできない場合は、超硬ボーリングバーや防振機構を備えたボーリングバーを検討します。工具剛性を高めることで、深穴や長い突出し量が必要な加工でもびびりを抑えやすくなります。

加工対象の材質や穴径、加工深さに合わせて工具を選定することが重要です。

切削条件を調整する

回転数や送り速度、切込み量を調整することで、びびりが改善する場合があります。特に回転数を下げる、送りを見直す、切込み量を適正化することで振動の増幅を抑えられるケースがあります。

ただし、条件を下げすぎると加工時間が長くなったり、こすりによって面粗度が悪化したりすることもあります。加工条件は、品質と効率のバランスを見ながら調整する必要があります。

ワーク固定と治具を見直す

ワークの固定が不安定な場合は、クランプ位置や支持点を見直します。大型部品や鋳物部品では、専用治具を設計することで加工中の振動を抑え、精度を安定させられます。

特に複雑形状の鋳物では、どこを基準面として固定するか、どの方向から加工するかといった工程設計も重要です。

切粉排出と切削油供給を改善する

切粉の噛み込みを防ぐためには、切削油の供給方法やエアブロー、工具形状の見直しが有効です。深穴加工では、内部給油工具や切粉排出性に優れた工具の選定が品質安定につながります。

切粉が加工部に残らないようにすることで、切削抵抗の急激な変動を防ぎ、びびりや工具欠損のリスクを軽減できます。

鋳物加工では
びびり対策がより重要

鋳物部品のボーリング加工では、びびり対策がさらに重要になります。鋳物は形状が複雑で固定が難しいだけでなく、材質の硬さが均一ではない、内部に巣が存在する可能性がある、鋳肌が硬いといった特有の難しさがあります。

硬い鋳肌から内部の比較的柔らかい部分へ切削が移る際や、内部欠陥に工具が当たった際には、切削抵抗が急激に変化します。この負荷変動が工具振動を引き起こし、びびりや工具欠損につながることがあります。

そのため、鋳物加工では単に切削条件を調整するだけでなく、ワークの固定方法、加工順序、工具選定、切削油管理まで含めた総合的なノウハウが求められます。

びびりを抑えた
ボーリング加工業者の選び方

ボーリング加工でびびりを抑えて安定した品質を得るには、加工業者の設備力や技術力も重要です。見積もり金額だけで判断するのではなく、対応実績や検査体制を確認しておくことが大切です。

特に「他社でびびりが改善できなかった」「面粗度や真円度が安定しない」といった課題がある場合は、ボーリング加工を得意とする業者に相談することで改善策が見つかる可能性があります。

まとめ

ボーリング加工におけるびびりは、工具やワーク、工作機械が振動することで発生する加工トラブルです。びびりが起こると、面粗度の悪化、寸法精度や真円度の低下、工具寿命の短縮、加工コストの増加など、さまざまな問題につながります。

主な原因としては、工具突出し量の長さ、工具剛性不足、切削条件の不適切さ、ワーク固定の不安定さ、切粉排出不良、設備状態の問題などが挙げられます。対策としては、工具突出し量の短縮、剛性の高い工具の選定、切削条件の調整、治具や固定方法の見直し、切粉排出性の改善が有効です。

高精度なボーリング加工や鋳物加工では、びびり対策のノウハウを持つ加工業者を選ぶことが品質安定につながります。こちらのサイトでは、ボーリング加工に対応している加工業者の特徴や実績をまとめています。加工先選びの参考としてぜひご活用ください。

【加工部品別】ボーリング加工会社3選

製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。

治具ベース・鋳物加工なら
新川製作所
新川製作所
引用元:新川製作所
(https://www.shinkawa-ss.jp/)
おすすめの理由
  • YASDAのマシニングセンタを駆使したボーリングで、複雑形状の治具ベース加工や技術力が必要となる鋳物加工にも対応。
  • 専任加工エンジニアが、条件設定、製造・加工、測定まで一気通貫で対応し、治具の品質を担保。
主な設備 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT
架台やプレートなど
大物部品なら
北條製作所
北條製作所
引用元:北條製作所
(https://hojo-s.co.jp/)
おすすめの理由
  • ボーリング加工・大物部品加工の専業メーカーで100年以上の実績(※1)があり、信頼性が高い品質保証体制を構築。
  • 希少な最大加工面積高さ1350×幅2500×長さ5000mmに対応。監視カメラで24時間加工を実現。
主な設備 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C
アルミ加工部品なら
HILLTOP
HILLTOP
引用元:HILLTOP
(https://hilltop21.co.jp/)
おすすめの理由
  • 長年研鑽されてきた職人技術や加工ノウハウをデータベース化し、未経験でも完成度の高いアルミ加工ができる仕組みを構築。
  • 「HILLTOP SYSTEM」による独自のオートメーション生産で、アルミ加工の多品種・短納期を実現
主な設備 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V

(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点