【加工目的別】ボーリング加工会社を厳選紹介 » ボーリング加工(中ぐり加工)の基礎知識 » 鋳物加工における「巣」の費用負担と対策

鋳物加工における「巣」の費用負担と対策

目次

鋳物部品の切削加工を進めている途中で、内部の空洞である「巣(す)」が発見されるケースは少なくありません。巣が発覚して製品が不良品となった場合、これまでに費やした加工費用や材料費を誰が負担するのかは、製造現場において頻繁にトラブルの火種となります。

この記事では、鋳物加工中に巣が発覚した際の費用負担の原則的な考え方と、発注元・加工業者・鋳造メーカー間で発生するトラブルを未然に防ぐための対策について解説します。

鋳物の「巣」とは?加工中の発覚が問題になる理由

鋳物の「巣」とは、溶かした金属を型に流し込んで冷やし固める鋳造工程において、内部に発生してしまう空洞や気泡のことです(ポロシティとも呼ばれます)。巣は外観からは見えないことが多く、表面を削る機械加工を行って初めて発覚するケースが大半を占めます。

加工の最終工程に近い段階で巣が発見されると、それまでにかかった機械の稼働時間、作業員の人件費、工具の摩耗といったコストがすべて無駄になってしまいます。そのため、「この無駄になった加工費用を誰が負担すべきか」という責任問題に発展しやすいのです。

鋳物の巣が発覚した場合の費用負担の原則

鋳物に巣があり不良品となった場合、費用負担に関する一般的な商慣習は存在しますが、それぞれの立場で主張が対立することがあります。原則としてどのように扱われることが多いのかを整理します。

鋳造メーカーの負担範囲(素材の代替品提供)

鋳造メーカー(素材供給元)に不良の責任がある場合、一般的には「良品の鋳物素材を無償で代替提供する」ことで責任を果たすとするケースが多数を占めます。これは素材の売買契約に基づく対応です。しかし、素材不良が原因であっても、加工業者が費やした「加工費用」までは補償しないというスタンスをとる鋳造メーカーが多く、ここで意見の相違が生まれやすくなります。

加工業者の負担範囲(加工費用の扱い)

加工業者は、素材を受け取って図面通りに削る役割を担います。素材内部の欠陥は事前の予測が難しいため、加工業者の過失ではありません。しかし、鋳造メーカーが加工費の補償を拒否した場合、その加工費用の請求先が曖昧になります。事前の取り決めがないと、加工業者が泣き寝入りをして加工費を自社で負担せざるを得ない状況に陥るリスクがあります。

発注元が負担するケース

発注元が自ら鋳造メーカーを手配し、加工業者へ「支給材」として素材を持ち込んだ場合は、発注元の責任範囲として加工業者から加工費を請求されることがあります。一方、加工業者が素材調達から一貫して請け負っている場合は、加工業者側の責任として扱われる傾向があります。

費用負担のトラブルを防ぐ!事前の取り決めポイント

上記のように、巣が発覚した後の費用負担は責任の所在が曖昧になりやすいため、加工依頼時の事前の取り決めが非常に重要です。以下のポイントを見積もり時や契約時に確認しておきましょう。

1. 契約書や見積書で責任範囲を明確にする

口約束ではなく、書面で「鋳造欠陥(巣など)が原因で不良となった場合の加工費用の負担者」を明記しておくことが大切です。「素材は無償交換とするが、加工費は加工側が負担する」といった免責事項が鋳造メーカーの見積書に記載されていることも多いため、発注前に条件を精査する必要があります。

2. 巣の許容範囲と検査体制をすり合わせる

すべての巣を不良とするのではなく、「直径何ミリ以下の巣であれば良品として扱うか」あるいは「特定の箇所(シール面など)の巣は一切不可とするか」といった許容範囲を図面や仕様書に定めておくことで、無駄な廃棄を減らすことができます。

3. 補修対応(含浸処理など)の可否を決めておく

巣が発覚した際、製品を廃棄せずに補修して生かす方法もあります。溶接による肉盛り補修や、特殊な樹脂を圧入して空洞を埋める「含浸(がんしん)処理」の実施が許可されるかどうかも、事前に協議しておくとスムーズです。

巣による被害を抑える具体的な対策

トラブル対応だけでなく、そもそも巣による被害を物理的に抑える対策も検討すべきです。

まとめ

鋳物加工における「巣」の問題は、発覚した後の費用負担で揉めるケースが後を絶ちません。原則として素材の代替提供は行われても、加工費用の補償は契約次第となります。

発注元、加工業者、鋳造メーカーがそれぞれリスクを認識し、事前に責任範囲の明記や許容基準のすり合わせを行うことで、円滑な取引が可能になります。信頼できる加工パートナーを選ぶ際は、こうしたトラブルへの対応方針や提案力も考慮して選定を進めましょう。

当サイトでは、高精度なボーリング加工や複雑な鋳物加工に対応できる会社を紹介しています。パートナー選びの参考に、ぜひトップページもご覧ください。

【加工部品別】ボーリング加工会社3選

製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。

治具ベース・鋳物加工なら
新川製作所
新川製作所
引用元:新川製作所
(https://www.shinkawa-ss.jp/)
おすすめの理由
  • YASDAのマシニングセンタを駆使したボーリングで、複雑形状の治具ベース加工や技術力が必要となる鋳物加工にも対応。
  • 専任加工エンジニアが、条件設定、製造・加工、測定まで一気通貫で対応し、治具の品質を担保。
主な設備 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT
架台やプレートなど
大物部品なら
北條製作所
北條製作所
引用元:北條製作所
(https://hojo-s.co.jp/)
おすすめの理由
  • ボーリング加工・大物部品加工の専業メーカーで100年以上の実績(※1)があり、信頼性が高い品質保証体制を構築。
  • 希少な最大加工面積高さ1350×幅2500×長さ5000mmに対応。監視カメラで24時間加工を実現。
主な設備 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C
アルミ加工部品なら
HILLTOP
HILLTOP
引用元:HILLTOP
(https://hilltop21.co.jp/)
おすすめの理由
  • 長年研鑽されてきた職人技術や加工ノウハウをデータベース化し、未経験でも完成度の高いアルミ加工ができる仕組みを構築。
  • 「HILLTOP SYSTEM」による独自のオートメーション生産で、アルミ加工の多品種・短納期を実現
主な設備 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V

(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点