【加工目的別】ボーリング加工会社を厳選紹介 » ボーリング加工(中ぐり加工)の基礎知識 » 鋳物加工の受託先を選ぶポイント

鋳物加工の受託先を選ぶポイント

目次

「自社の鋳物部品を加工してくれる業者が見つからない」「高精度なボーリング加工を依頼したいが、断られてしまう」といったお悩みはありませんか?

鋳物加工は一般的な金属加工と比べて特有の難しさがあり、受託できる業者が限られています。そのため、業者選びを間違えると、「寸法が出ない」「加工途中で巣が出て手戻りになる」といったトラブルに発展しかねません。

この記事では、鋳物加工の受託を依頼する(外注する)際に、失敗しない業者選びのポイントや、見積もり・依頼時の注意点について詳しく解説します。

なぜ鋳物加工を受託できる業者は少ないのか?

具体的な業者選びのポイントに入る前に、なぜ鋳物加工を受託できる業者は少ないのか、その背景について簡単に触れておきます。受託を嫌がる業者が多いのは、鋳物加工特有の難しさが加工業者のリスクに直結するためです。

鋳物加工特有の3つの課題

内部欠陥(巣)のリスク

鋳造時に内部に微細な空洞(巣)が発生するリスクがあり、加工途中で発見されると製品が不良品になってしまいます。それまでの加工時間や工具代などのコストが無駄になってしまうため、不良率が高くなりやすいのが大きな課題です。

材質の不均一性と硬い鋳肌

表面の酸化被膜(鋳肌)が硬く、内部は柔らかいなど、1つの部品の中でも硬さが均一ではありません。刃物への負担が非常に大きく、工具の摩耗や破損が激しいため、加工コストがかさむ要因となります。

治具(固定具)の設計が困難

自由曲面や複雑な形状が多い鋳物は、工作機械に安定して固定すること自体が容易ではありません。高精度に仕上げるためには、部品の形状に合わせた専用の「治具」を設計・製作する高度なノウハウが求められます。

このように「不良リスクが高い」「設備や工具へのダメージが大きい」「専門ノウハウが必要」といった理由から、多くの加工業者が受託を敬遠する傾向にあります。

なお、鋳物加工の基礎知識や、加工が難しい技術的理由についてより詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。

信頼できる鋳物加工の
受託先を選ぶ5つのポイント

上記のような課題がある中で、安心して鋳物加工を任せられる業者を見つけるためには、以下の5つのポイントをチェックすることが重要です。

1. 対象材質(鋳鉄、アルミ鋳物など)の加工実績が豊富か

一口に鋳物と言っても、FC(ねずみ鋳鉄)、FCD(ダクタイル鋳鉄)、アルミ鋳物など、材質によって特性は大きく異なります。自社が依頼したい材質と類似の加工実績(特にボーリング加工などの高精度加工実績)があるか、Webサイトや問い合わせを通じて確認しましょう。

2. 治具の内製能力があるか

鋳物加工の精度は、「いかに安定して対象物を固定できるか」にかかっています。そのため、複雑な形状の鋳物に合わせて、専用の治具を自社で設計・製作できる能力(内製能力)がある業者は、非常に頼りになります。治具設計のノウハウがあることは、鋳物加工の経験値の高さを示す指標にもなります。

3. 要求精度を満たす設備と検査体制があるか

ミクロン単位の厳しい公差が求められるボーリング加工などでは、マシニングセンタや中ぐり盤といった高性能な加工設備に加え、加工後の精度を正確に保証するための「三次元測定機」などの検査設備が整っていることが不可欠です。設備紹介ページなどで確認しておきましょう。

4. 対応ロットとサイズの幅

試作開発のための単品加工(1個〜)なのか、量産を前提とした加工なのかによって、適した業者は変わります。また、手のひらサイズの小物部品から、数メートルに及ぶ大物部品まで、自社の依頼したいサイズに対応できる機械設備(加工ストローク)を持っているかも重要な確認事項です。

5. トラブル発生時の対応力とVA/VE提案力

鋳物加工では、「加工を進めたら予期せぬ大きな巣が出た」といったトラブルがつきものです。そうした際に、ただ作業を止めるだけでなく、状況を速やかに共有し、代替案やリカバリー策を提案してくれるコミュニケーション能力も大切です。また、図面に対して「ここをこう変更すれば加工コストを下げられますよ」といったVA/VE提案をしてくれる業者は、良きパートナーとなります。

鋳物加工を見積もり・発注する際の
3つの注意点

業者を選定し、実際に見積もりや加工を依頼する際には、後々のトラブルを防ぐために以下の点に注意して準備を進めましょう。

①必要な品質・精度を明確にする 図面に、寸法公差、幾何公差(真円度、同軸度など)、表面粗さなどを明確に指示します。過剰な精度要求はコスト高につながるため、「本当に必要な精度」を見極めることも重要です。
②素材手配の分担を決める 鋳物素材を自社で調達して「支給」するのか、加工業者が鋳造の手配から一括して行うのか(一貫受託)を明確にします。支給する場合は、素材の寸法バラツキの許容範囲なども共有しておきましょう。
③「巣」発生時のルールを共有する 加工中に「巣」が発見された場合の判断基準(どこまでの大きさなら許容できるか、補修溶接は可能か、不良とした場合の費用負担はどうするか等)を、事前に書面等で取り決めておくと安心です。

大物・複雑形状の鋳物加工なら
「ボーリング(中ぐり)」が得意な会社へ

鋳物の穴加工において、高い精度(内径寸法、真円度、同軸度など)が求められる場合は、一般的なドリル加工ではなく、ボーリング加工(中ぐり加工)が必要となります。

ボーリング加工は、専用の工具(ボーリングバー)を用いて、下穴を少しずつ削り広げていく精密な加工方法です。鋳物特有の硬い鋳肌や内部の巣に影響されにくく、設計通りの寸法に仕上げるためには、マシニングセンタや中ぐり盤を駆使してボーリング加工を行える業者の技術力が不可欠です。

まとめ

鋳物加工は、その特殊な性質から受託できる業者が限られていますが、ポイントを押さえて選定することで、高品質な部品を安定して調達することが可能になります。

これらの点を意識して、自社の要求に最適な鋳物加工の受託パートナーを見つけましょう。

当サイトでは、鋳物加工をはじめ、高い技術力が求められるボーリング加工を得意とするおすすめの加工会社を紹介しています。業者選びの参考に、ぜひトップページもご覧ください。

【加工部品別】ボーリング加工会社3選

製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。

治具ベース・鋳物加工なら
新川製作所
新川製作所
引用元:新川製作所
(https://www.shinkawa-ss.jp/)
おすすめの理由
  • YASDAのマシニングセンタを駆使したボーリングで、複雑形状の治具ベース加工や技術力が必要となる鋳物加工にも対応。
  • 専任加工エンジニアが、条件設定、製造・加工、測定まで一気通貫で対応し、治具の品質を担保。
主な設備 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT
架台やプレートなど
大物部品なら
北條製作所
北條製作所
引用元:北條製作所
(https://hojo-s.co.jp/)
おすすめの理由
  • ボーリング加工・大物部品加工の専業メーカーで100年以上の実績(※1)があり、信頼性が高い品質保証体制を構築。
  • 希少な最大加工面積高さ1350×幅2500×長さ5000mmに対応。監視カメラで24時間加工を実現。
主な設備 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C
アルミ加工部品なら
HILLTOP
HILLTOP
引用元:HILLTOP
(https://hilltop21.co.jp/)
おすすめの理由
  • 長年研鑽されてきた職人技術や加工ノウハウをデータベース化し、未経験でも完成度の高いアルミ加工ができる仕組みを構築。
  • 「HILLTOP SYSTEM」による独自のオートメーション生産で、アルミ加工の多品種・短納期を実現
主な設備 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V

(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点