鋳物部品の設計や加工において、寸法公差(鋳造公差)の理解は欠かせません。鋳物は溶けた金属を型に流し込んで固めるという製造方法の性質上、機械加工のような厳しい寸法精度を出すことが困難です。この記事では、JIS規格(JIS B 0403)に基づく鋳物の公差等級(CT等級)の基本や、公差が大きくなる理由、そして設計・加工時に注意すべきポイントについて解説します。
鋳物の寸法公差は、広く「鋳造公差」や「CT(Casting Tolerance)」と呼ばれています。機械加工における普通公差とは異なり、金属を溶かして型に流し込むという鋳造プロセス特有の寸法変化を考慮して定められた基準です。
日本産業規格においては、JIS B 0403「鋳造品の寸法公差方式及び削り代方式」として規定されています。この規格は、砂型鋳造、金型鋳造、ダイカストなど、様々な方法で製造される鋳物部品の寸法許容差を定めており、設計者と製造者間の共通認識として利用されています。
鋳物の寸法公差は、CT1からCT16までの16段階の「公差等級」に分類されています。数字が小さいほど許容差が狭く(精度が高く)、数字が大きいほど許容差が広くなります。
適用されるCT等級は、主に「鋳造方法」と「鋳物の材質」の組み合わせによって決まります。金型を使用するダイカストや精密鋳造ではCT4からCT6程度の高い等級が適用される傾向があります。一方、木型を用いた砂型鋳造の場合は、CT10からCT13程度の比較的広い公差となるのが一般的です。
実際の許容される寸法公差は、CT等級と「基準寸法(製品の大きさ)」の組み合わせで算出されます。製品のサイズが大きくなるほど、冷却時の収縮量などの影響を受けやすくなるため、許容される公差の幅も広がる仕組みになっています。
鋳物が切削加工品と比べて厳しい寸法精度を出すのが難しい背景には、製造工法に起因するいくつかの理由が存在します。
溶けた金属は、冷えて固まる際に体積が収縮します。この収縮率(引け代)は、金属の材質や製品の厚み、形状によって微妙に変化します。そのため、事前に正確な仕上がり寸法を予測して型を設計することは難易度が高く、仕上がり寸法にバラツキが生じる要因となります。
鋳型自体の寸法精度や、上型と下型を組み合わせた際のわずかなズレ(型合わせズレ)も、製品寸法に影響を与えます。また、砂型鋳造では型を外す際に砂が崩れないようにするための「抜き勾配」を設ける必要があり、これも寸法誤差の原因の一つです。
鋳造直後の製品表面(鋳肌)は特有の凹凸があるため、精密な寸法測定を困難にします。加えて、表面の砂やバリを落とすためのショットブラスト加工などの後処理工程によっても、寸法が微小に変化するケースがあります。
鋳物特有の性質を理解した上で、適切な設計と発注を行うことが、後工程でのトラブルを防ぐ鍵となります。
はめ合い部やシール面など、高い精度が要求される箇所は、鋳造のみで精度を出すことは困難です。そのため、あらかじめ削り代(取り代)を見込んで少し大きめに鋳造し、後から機械加工(切削や中ぐり加工など)を行って仕上げる設計にするのが基本です。
どこに基準面を設け、どの部分を機械加工するのかを図面で明確に指示することが重要です。また、鋳造メーカーから納品された素材を加工する際、内部欠陥(巣)や寸法のバラツキによって加工トラブルが発生することもあります。加工業者とは、事前の検査体制や不具合発生時の対応方針についてしっかり協議しておくことが推奨されます。
鋳物の寸法公差(CT等級)は、製造方法や材質に大きく依存するため、機械加工部品と同じ基準で公差を設定すると製造が困難になります。JIS規格を参考にしつつ、機能上精度が求められる部分は機械加工で仕上げるという「使い分け」が重要です。精度の高い鋳物加工を実現するためには、鋳物の特性を熟知し、適切な段取りと高い加工技術を持つ専門業者へ依頼することをご検討ください。
製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。
| 主な設備 | 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT |
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| 主な設備 | 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C |
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| 主な設備 | 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V |
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(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点