鋳物部品の機械加工を進める中で、削った後に寸法が変わってしまう「歪み(ひずみ)」は、品質管理における課題の一つです。高精度が求められる部品において、歪みによる寸法のばらつきは、組み立て工程での不具合や製品性能の低下を引き起こす要因となります。
この記事では、鋳物加工において歪みが発生する主な原因と、寸法不良を未然に防ぐための具体的な対策・防止策について解説します。
金属は熱によって膨張し、冷えると収縮する性質を持っています。高温で溶かした金属を型に流し込む鋳造工程を経て作られる鋳物は、この性質によって内部に特有の力を蓄えるため、加工時に歪みが生じやすくなります。
鋳造工程で金属が冷却され固まる際、製品の厚みや形状によって冷える速度に差が生じます。この冷却速度の違いによって、内部には周囲を引っ張るような力(残留応力)が蓄積されます。機械加工によって表面の素材を削り取ると、この応力のバランスが崩れて解放され、結果として形状が変化し歪みが発生します。
切削加工時に発生する摩擦熱や、工具から受ける切削抵抗(力)も歪みの原因となります。特に薄肉の部品や複雑な形状の鋳物の場合、加工時の熱による部分的な膨張や収縮が、寸法精度に影響を与えやすくなります。
加工機に製品を固定(クランプ)する際、過度な力で締め付けると、部品そのものが変形した状態で加工されることになります。加工後にクランプを外すと、金属が元の形に戻ろうとするため、図面通りの寸法から外れてしまう原因となります。
歪みが発生すると、平面度や真円度などの幾何公差を満たすことが難しくなります。これにより、他の部品との接合面が合わなくなったり、ボルト穴の位置がずれたりするなど、組み立て工程に直接的な影響を及ぼします。精密な動作が求められる産業機械や自動車部品において、歪みのコントロールは製品の品質を左右する重要な要素です。
鋳物における歪みを完全にゼロにすることは困難ですが、加工前や加工中の工程に適切な対策を講じることで、許容範囲内に抑えることが可能です。
機械加工を行う前に、鋳物を炉で加熱して一定時間保持し、その後ゆっくりと冷却する「応力除去焼鈍(アニール)」を行うことが有効です。この熱処理によって内部の残留応力を事前に低減させることで、加工時の応力解放による歪みを大幅に抑制できます。
一度の加工で最終寸法まで削り切るのではなく、工程を分ける方法です。大部分を削る「荒加工」を行った後に、一定期間自然放置する「枯らし(シーズニング/エージング)」の期間を設けます。荒加工によって生じた応力や変形を自然に出し切った後で、高精度な「仕上げ加工」を行うことで、安定した寸法精度を実現できます。
加工時の変形を防ぐため、クランプの位置や締め付ける力を調整することが重要です。素材に無理な力がかからないように多点支持を採用したり、製品の形状に合わせた専用の治具(治具ベース)を製作して固定することで、過度な締め付けによる人為的な歪みを防ぎます。
鋳物加工における歪みは、素材の特性上避けられない現象ですが、事前の熱処理や、荒加工と仕上げ加工の分離、適切な治具の使用といった工夫により、影響を最小限に抑えることができます。
歪みによる寸法不良を防ぐためには、素材の性質を深く理解し、適切な切削条件を導き出すノウハウが求められます。高品質な鋳物部品を調達する際は、こうした歪み対策の技術や、専用治具の設計能力を持つ加工会社をパートナーとして選定することが重要です。
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製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。
| 主な設備 | 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT |
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| 主な設備 | 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C |
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| 主な設備 | 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V |
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(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点