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鋳物の精密加工とは?

目次

「鋳物部品でミクロン単位の厳しい公差を要求されている」「鋳造だけでは十分な精度が出ず、組み立て時に不具合が起きてしまう」といったお悩みはありませんか?

複雑な形状を効率よく作れる鋳物(いもの)ですが、高い寸法精度や幾何公差(同軸度・真円度・平行度など)を要求される精密部品の場合、鋳造後の「精密切削(ボーリング加工など)」が不可欠です。

この記事では、「鋳物の精密加工」の基本的な考え方から、型による精密鋳造の限界、そして削り(切削)でミクロン単位の精度を実現するための技術要素やポイントについて分かりやすく解説します。

そもそも「鋳物の精密加工」とは?

「鋳物の精密加工」という言葉は、大きく分けて2つのフェーズに分かれます。1つは金属を溶かして型に流し込む段階の「精密鋳造」、もう1つは出来上がった鋳物素材を機械で削り出す「精密切削加工」です。

精密鋳造(ロストワックス等)で出せる精度と限界

精密鋳造とは、ロストワックス法、プラスターモールド法(石膏型)、セラミックモールド法などを用いて、一般的な砂型鋳造よりも寸法精度の高い素材を作り出す技術です。

非常に複雑な形状や薄肉構造を一体成形できるメリットがありますが、金属が冷えて固まる際の収縮(引き締まり)や熱変形をゼロにすることはできません。そのため、型の段階で出せる寸法精度は一般的に「±0.1mm〜±0.3mm」程度が限界とされています。

なぜ精密切削(ボーリング加工など)が必要なのか

自動車のエンジンパーツ、油圧機器、産業機械の摺動部(すべり軸受など)では、「±0.01mm(10ミクロン)以下」という極めて高い精度や、歪みのない綺麗な円筒度・同軸度が求められます。

こうした高精度な要求を満たすには、精密鋳造で作られた素材(または通常の鋳物)に対し、高精度なマシニングセンタやジグボーラーを用いたボーリング加工(中ぐり加工)などの二次加工(精密切削)を施して仕上げる必要があります。

鋳物でミクロン単位の「精密加工」を実現する4つの技術要素

材質の不均一さや内部の空洞(巣)のリスクを抱える鋳物を、ミクロン単位で正確に仕上げるためには、高度なノウハウと設備が不可欠です。精密切削を成功させるための主な要素は以下の4つです。

1. 高精度マシニングセンタ・ジグボーラーによるボーリング加工

穴の位置決めや内径仕上げにおいて、最も威力を発揮するのがボーリング加工です。高剛性かつ高精度な加工機(YASDAやジグボーラーなど)を使用し、微細な切り込み量で削り広げることで、ドリルやエンドミルでは出せないミクロン単位の内径公差や優れた表面粗度(なめらかさ)を実現します。

2. 素材のばらつきや歪みを抑え込む「専用治具」

鋳物素材は個体ごとにミリ単位の寸法誤差(肉厚のばらつき)があったり、締め付け(チャッキング)の力によって簡単に歪んだりします。精密加工を行うためには、部品を無理な力で歪ませずに固定し、正しく位置決めができる「専用治具(固定具)」を自社で設計・製作する技術が必要となります。

3. 恒温室での温度管理と高精度測定

金属は温度変化によって膨張・収縮します。ミクロン単位の精密加工を行う工場では、工場内の室温を20℃前後に一定維持する「恒温室」に機械を設置するのが一般的です。加工後も三次元測定機などを用いて恒温室で厳密な寸法測定を行い、品質を保証します。

4. 「巣」や「鋳肌」の影響を回避する切削条件の最適化

鋳物の表面(鋳肌)は硬く、内部は柔らかいという性質があり、さらに内部に気泡(巣)が存在することもあります。これらによる工具のチッピング(刃欠け)や摩耗を防ぐため、材質ごとに最適な刃物(超硬・CBN工具など)を選定し、回転数や送り速度を微調整する熟練のプログラミング技術が求められます。

精密加工が求められる主な鋳物部品

鋳物の精密切削加工(ボーリング加工)は、以下のような高い機能性が求められる部品で多く採用されています。

鋳物の精密加工を成功させるための業者選び

鋳物の精密加工は、単に良い機械を持っているだけでなく、「鋳物特有の癖(歪み・巣・鋳肌の硬さ)」を知り尽くしたノウハウがあるかどうかが成否を分けます。

実際の外注先選定や、鋳物加工の難しさについての理解を深めるために、ぜひ以下の解説記事も参考にしてみてください。

まとめ

鋳物の精密加工には、「型で形を作る精密鋳造」と「削って仕上げる精密切削」の2つの側面があります。ミクロン単位の寸法公差や高精度な穴加工(ボーリング加工)が求められる箇所においては、高度な加工ノウハウと設備を持った加工会社への依頼が必須となります。

「他社で公差が出ないと断られた」「鋳物の精密切削に対応できる会社を探している」という場合は、専門技術と実績を持ったボーリング加工業者へ相談してみることをおすすめします。

当サイトでは、鋳物加工をはじめとする高精度なボーリング加工を得意とするおすすめの加工会社をご紹介しています。ぜひパートナー探しにお役立てください。

【加工部品別】ボーリング加工会社3選

製造部品に応じた精度要求にしっかり応えられる、信頼性の高い技術や実績を持ったボーリング加工会社を選ぶことは、再検査・差戻しの工数を考慮すると、トータルコストの削減に繋がります。ここでは「治具ベース・鋳物」「大物部品」「アルミ加工部品」と用途が異なる部品分類に着目し、信頼できるおすすめの加工会社を厳選紹介します。

治具ベース・鋳物加工なら
新川製作所
新川製作所
引用元:新川製作所
(https://www.shinkawa-ss.jp/)
おすすめの理由
  • YASDAのマシニングセンタを駆使したボーリングで、複雑形状の治具ベース加工や技術力が必要となる鋳物加工にも対応。
  • 専任加工エンジニアが、条件設定、製造・加工、測定まで一気通貫で対応し、治具の品質を担保。
主な設備 5軸+5P マシニングセンタ[YASDA]YBM 8T-63TT
架台やプレートなど
大物部品なら
北條製作所
北條製作所
引用元:北條製作所
(https://hojo-s.co.jp/)
おすすめの理由
  • ボーリング加工・大物部品加工の専業メーカーで100年以上の実績(※1)があり、信頼性が高い品質保証体制を構築。
  • 希少な最大加工面積高さ1350×幅2500×長さ5000mmに対応。監視カメラで24時間加工を実現。
主な設備 5面加工門形 マシニングセンタ[オークマ]MCR-A5C
アルミ加工部品なら
HILLTOP
HILLTOP
引用元:HILLTOP
(https://hilltop21.co.jp/)
おすすめの理由
  • 長年研鑽されてきた職人技術や加工ノウハウをデータベース化し、未経験でも完成度の高いアルミ加工ができる仕組みを構築。
  • 「HILLTOP SYSTEM」による独自のオートメーション生産で、アルミ加工の多品種・短納期を実現
主な設備 5軸マシニングセンタ[松浦機械]MAM72-63V

(※1)参照元:北條製作所( https://hojo-s.co.jp/about/)※2024年10月調査時点